ジェルネイルは、美しいツヤとデザインを長く楽しめる魅力的なおしゃれですが、「続けると爪が薄くなる」「オフが大変で爪がボロボロに…」といった悩みを持つ方も少なくありません。しかし、正しい知識を持ち、自分の爪に合った製品を選ぶことで、ダメージを最小限に抑えながらセルフジェルネイルを楽しむことは十分に可能です。この記事では、ジェルネイルで爪が傷む原因から、爪にやさしい商品の選び方、そして日々のケア方法までを詳しく解説します。
なぜジェルネイルで爪が傷むの?主な原因を解説
ジェルネイルによる爪のダメージは、いくつかの工程で発生する可能性があります。まずは、どのような行為が爪への負担となっているのか、その原因を正しく理解することから始めましょう。
ダメージの原因 |
主な内容 |
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サンディング |
ジェルの密着を良くするために爪表面を削ることで、爪が薄くなる。 |
アセトン |
オフの際に使用する溶剤。爪や皮膚の油分・水分を奪い、乾燥や二枚爪の原因になる。 |
硬化熱 |
ジェルがライトで固まる際に発生する熱。痛みを感じたり、爪への負担になったりすることがある。 |
ジェルを定着させるための「サンディング」で爪が薄くなる
ジェルネイルの持ちをよくするために、塗布前に爪の表面をファイルで軽く削る作業を「サンディング」と呼びます。サンディングにより爪の表面に細かな凹凸ができ、ジェルがしっかりと密着するのです。
しかし、サンディングを繰り返したり、削りすぎたりすると、爪の層がはがれて薄くなり、強度が低下してしまいます。爪が薄くなると、少しの衝撃で欠けたり、硬化熱を熱く感じやすくなったりすることもあるでしょう。
オフに使う「アセトン」が爪の油分と水分を奪う
ソークオフタイプのジェルネイルをオフする際に使用される「アセトン」は、ジェルを溶かす強力な溶剤です。しかし、その強力さゆえに、爪や周辺の皮膚の油分と水分も一緒に奪ってしまいます。アセトンを含ませたコットンで爪を覆うため、オフの後は爪が白く乾燥したり、二枚爪になったり、ささくれができやすくなることがあります。この乾燥が、爪がもろくなる大きな原因の一つです。
ライトで固める際の「硬化熱」によるダメージ
ジェルネイルは、LEDやUVライトを照射することで化学反応が起こり、液体から固体へと硬化する仕組みです。この化学反応の過程で発生する熱を「硬化熱」と呼びます。
ジェルの塗布量が多い場合や、爪が薄くなっている状態では、この熱を「痛い」「熱い」と感じることがあるでしょう。この熱自体が直接的に爪を傷つけるわけではありませんが、不快な感覚や、場合によっては軽い火傷のリスクもゼロではないのです。
爪にやさしいジェルネイルの種類とは?
爪へのダメージを理解した上で、次は負担の少ないジェルネイルの種類について見ていきましょう。現在はオフの方法によって、大きく2つのタイプに分けられます。
アセトン不要でオフできる「ピールオフジェル」
ピールオフジェルは、その名の通り「はがしてオフできる」ジェルネイルです。アセトンを使用せず、ジェルの端をウッドスティックなどで少し浮かせて、シールのようにペリッとはがすことができます。爪へのダメージの大きな原因であるアセトンを使わないため、爪の乾燥や負担を大幅に軽減できるのが最大のメリットです。週末だけネイルを楽しみたい方や、頻繁にデザインを変えたい方に特に人気があります。
従来の密着感を保ちつつオフする「ソークオフジェル」
ソークオフジェルは、アセトンを使用してオフする一般的なタイプのジェルネイルです。ピールオフタイプに比べて密着力が高く、3週間〜1ヶ月程度長持ちするのが特徴です。最近では、後述する「ノンサンディング」タイプも増えており、サンディングによるダメージを避ける選択も可能になりました。オフの際にはアセトンが必要ですが、持ちのよさを重視する方にはこちらが適しているでしょう。
あなたに合うのはどっち?タイプ別メリット・デメリット
どちらのタイプが自分に合っているか、以下の表を参考に比較検討してみてください。
種類 |
メリット |
デメリット |
こんな人におすすめ |
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ピールオフジェル |
・アセトン不要でオフが簡単 ・爪への負担が少ない ・気軽にデザインを変えられる |
・ソークオフに比べて持ちが短い(約1〜2週間) ・無理にはがすと爪の表面を傷つけることがある |
・短期間だけネイルを楽しみたい人 ・爪のダメージを最優先で避けたい人 |
ソークオフジェル |
・持ちがよい(約3週間〜1ヶ月) ・強度があり爪の補強にもなる ・デザインの幅が広い |
・オフにアセトンが必要で、爪が乾燥しやすい ・オフに時間がかかる |
・ネイルを長く楽しみたい人 ・爪が弱く、ある程度の強度がほしい人 |
爪への負担を減らすジェルネイルの選び方
ジェルネイルの種類を決めたら、次は具体的な製品選びのポイントです。以下の4つの点に注目することで、より爪にやさしいセルフジェルネイルを実現できます。
爪を削らない「ノンサンディング」タイプを選ぶ
サンディングによる爪へのダメージを避けるために、「ノンサンディング」や「サンディング不要」と記載されたベースジェルを選びましょう。これらのジェルは、特殊な成分配合により、爪を削らなくてもしっかりと密着するように設計されています。セルフネイル初心者で削る力加減が分からない方や、すでに爪が薄くなっている方に特におすすめと言えるでしょう。
爪を保護する保湿・抗菌成分配合のベースジェルを選ぶ
爪に直接塗るベースジェルは、最も重要なアイテムです。最近では、ケラチンやコラーゲン、植物由来のオイルといった保湿成分を配合し、ネイルを楽しみながら爪をケアできる製品も増えています。爪の乾燥を防ぎ、健やかな状態を保つ手助けとなるでしょう。成分表示を確認し、爪を労わる成分が含まれているかチェックしてみましょう。
アレルギーリスクを考慮した「HEMAフリー」処方か確認する
ジェルネイルに含まれる「HEMA(ヘマ)」という成分は、アレルギー反応を引き起こす原因の一つとして知られています。すべての人にアレルギーが起こるわけではありませんが、肌が敏感な方やアレルギーが心配な方は、「HEMAフリー」と表記された製品を選ぶとより安心です。
爪や肌への影響が少ない「LEDライト」や「低ヒートモード」対応のライトを選ぶ
ジェルネイルライトを選ぶ際は、硬化に必要な波長(365〜405nmなど)で効率的に硬化できるLEDライトを選び、肌への影響を軽減しましょう。LEDライトは一般的に405nm付近の波長で、UVライト(365nm)より照射時間が短く肌への負担が少ないとされています。また、硬化熱による熱さを和らげる「ローヒートモード」が搭載されているライトも、爪への刺激を減らすためにおすすめです。
選び方のポイント |
具体的なチェック項目 |
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ベースジェル |
「ノンサンディング」の表記があるか保湿・ケア成分(ケラチン、植物オイルなど)が含まれているか「HEMAフリー」の表記があるか |
ネイルライト |
「UVカット」機能があるか「ローヒートモード」が搭載されているか |
爪を傷つけない!ジェルネイルの正しい使い方とオフの手順
爪にやさしい製品を選んでも、使い方やオフの方法が間違っていると、結局爪を傷つけてしまいます。ダメージを最小限に抑えるための正しい手順を身につけましょう。
ダメージを防ぐプレパレーション(下準備)のコツ
プレパレーションは、ジェルの持ちをよくし、トラブルを防ぐための重要な工程です。甘皮処理をする際は、強く押しすぎたり、切りすぎたりしないように注意しましょう。また、爪の油分や水分を除去する際は、専用のクリーナーを使い、爪表面をやさしく拭き取る程度に留めるのがポイントです。
厚塗りは避けて硬化熱を抑える
硬化熱を強く感じさせないためには、ジェルを一度に厚く塗らないことが大切です。特に、ぷっくりとした厚みを出したい場合は、薄く塗って硬化させる工程を2〜3回繰り返しましょう。少し手間はかかりますが、硬化熱を大幅に抑えることができます。
無理にはがさない!ピールオフジェルの正しいオフ方法
ピールオフジェルをオフする際は、絶対に無理やりはがしてはいけません。爪の根元やサイドからウッドスティックなどを差し込み、やさしく少しずつジェルを浮かせていきます。はがれにくい場合は、お湯で指先を温めたり、専用のリムーバーをジェルの隙間に浸透させたりすると、スムーズにオフできます。
ソークオフジェルでダメージを最小限にするオフの注意点
ソークオフジェルをオフする際は、まず表面のトップジェルをファイルでやさしく削ります。この時、地爪まで削ってしまわないように注意が必要です。アセトンを染み込ませたコットンを爪に乗せ、アルミホイルで指を包んで置く時間は、製品の推奨時間を守りましょう。時間が経ってジェルが浮き上がってきたら、ウッドスティックでやさしく取り除きます。一度で取り切れない場合は、無理に削らず、もう一度アセトンを巻く工程を繰り返してください。
ジェルネイル後の爪を健やかに保つケア方法
ジェルネイルをオフした後の爪は、いわば素肌と同じで非常にデリケートな状態です。今後のネイルを長く楽しむためにも、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
ケアアイテム |
主な役割と使い方 |
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ネイルオイル |
爪の根元の甘皮部分に塗り込み、指でやさしくマッサージする。爪の生え際に栄養を与え、乾燥やささくれを防ぐ。 |
ハンドクリーム |
手全体に塗り、爪や指先にもしっかりとなじませる。手肌全体の乾燥を防ぎ、潤いを保つ。 |
ネイルオイルで爪と周囲の皮膚を保湿する
ネイルオイルは、爪の乾燥を防ぐための必須アイテムです。特に、爪が作られる根元の甘皮部分(キューティクル)にオイルを垂らし、軽くマッサージするようになじませることで、これから生えてくる爪を健やかに保つ効果が期待できます。ジェルネイルをしている間も、根元に塗ることで保湿が可能です。
ハンドクリームで手全体の潤いを保つ
爪の健康は、手全体の皮膚の状態とも密接に関係しています。手を洗った後や乾燥を感じた時にハンドクリームを塗る習慣をつけ、指先までしっかり潤いを届けましょう。ネイルオイルの後にハンドクリームを使うと、オイルの保湿成分を閉じ込める蓋の役割も果たしてくれます。
まとめ:正しい知識で爪にやさしくジェルネイルを楽しもう
ジェルネイルで爪が傷む主な原因は、「サンディング」「アセトン」「硬化熱」などです。しかし、爪を削らない「ノンサンディング」タイプや、アセトンを使わない「ピールオフ」タイプの製品を選び、正しい使い方とオフ、そして日々の保湿ケアを心がけることで、爪への負担は大きく減らすことができます。自分のライフスタイルや爪の状態に合った方法を見つけて、これからも健やかな爪でジェルネイルを楽しんでいきましょう。