近年、自宅で手軽に楽しめるセルフジェルネイルが人気ですが、それに伴い「ジェルネイルアレルギー」に悩む方も増えています。指先のかゆみや赤み、水ぶくれといった症状の原因の一つとして注目されているのが、ジェルネイルに含まれる「HEMA(ヘマ)」という成分です。この記事では、HEMAとは何か、なぜアレルギーを引き起こすのか、そして安心してジェルネイルを楽しむための対策について詳しく解説します。
ジェルネイルのHEMAとは?アレルギーの原因になる成分
ジェルネイルアレルギーの主な原因物質として知られる「HEMA」。多くのジェルネイル製品に使用されている一般的な成分ですが、一体どのような役割を持っているのでしょうか。その特徴と、アレルギーを引き起こすメカニズムについて解説します。
HEMAの役割と特徴
HEMA。しかし、分子量が小さく皮膚に浸透しやすいという特徴もあります
なぜHEMAはアレルギーを引き起こすのか
HEMA。HEMAが皮膚に付着すると、数か月から数年の継続的暴露により、遅延型アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性があります。症状は接触後6時間から72時間後に現れ、特に24〜48時間後に発症することが多く、爪周囲や指腹部に湿疹、紅斑、かゆみなどが生じるのが特徴です。
HEMAによるジェルネイルアレルギーの主な症状
ジェルネイルアレルギーは、ジェルネイルを塗布した指先を中心に、様々な皮膚症状を引き起こします。症状の現れ方には個人差がありますが、放置すると悪化する可能性もあるため、初期症状を見逃さないことが大切です。
指先に現れるかゆみや赤み
最も多く見られる初期症状が、強いかゆみや赤みです。特に、爪の周り(甘皮や指先の皮膚)に症状が現れやすい傾向があります。ジェルネイルの使用を継続していると数か月~10か月程度の期間を経て発症することが多く、「なんだか指先がむずがゆい」と感じたらアレルギーを疑うサインかもしれません。
水ぶくれや皮膚のただれ
かゆみや赤みといった症状が進行すると、小さな水ぶくれ(水疱)ができたり、皮膚がジュクジュクとただれたりすることがあります。水ぶくれが破れると、さらに強い痛みや炎症を引き起こす可能性もあるため、掻きむしったり潰したりしないよう注意が必要です。
爪の剥離や変形
重症化すると、爪が根本から浮き上がってはがれてしまう「爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)」や、爪がデコボコに変形してしまうといった症状につながることもあります。ここまで進行すると、元のような健康な爪に戻るまでには長期間を要するため、早期の対処が何よりも重要です。

HEMAフリーのジェルネイルなら安全?
ジェルネイルアレルギーの原因としてHEMAが知られるようになり、「HEMAフリー」を謳った製品が増えてきました。しかし、「HEMAフリーなら100%安全」と考えるのは早計です。アレルギーのリスクを正しく理解し、製品を選ぶことが大切です。
HEMAフリーの定義
HEMAフリーとは、その名の通り成分としてHEMAを含まないジェルネイル製品のことを指します。HEMAによるアレルギーリスクを避けたい方にとっては、有効な選択肢の一つです。ただし、HEMAフリーであっても、後述する別の成分によってアレルギーが引き起こされる可能性はゼロではありません。
HEMA以外のアレルギー原因物質
ジェルネイルに含まれる成分の中で、アレルギーを引き起こす可能性があるのはHEMAだけではありません。HEMAと似た性質を持つ「アクリル酸」や、その他のメタクリレート系の化学物質もアレルギーの原因となり得ます。そのため、HEMAフリー製品を選ぶ際も、他のアレルギー原因物質が含まれていないか、成分表示をよく確認することが推奨されます。
パッチテストの重要性
新しいジェルネイルを使用する前には、必ずパッチテストを行いましょう。皮膚科で専門的なパッチテストを受けるのが確実ですが、セルフで行う場合はまず爪1本だけで試し塗りをし、数日様子を見て異常が出ないか確認する方法が安全です。(※未硬化のジェルを直接皮膚に塗って放置するのは、かえってアレルギーの原因になることがあるため避けましょう)もし赤みやかゆみなどの異常が現れた場合は、そのジェルの使用は避けるべきです。この一手間を惜しまなければ、アレルギーの発症を未然に防げるでしょう。
アレルギーでも安心!HEMAフリージェルネイルの選び方
ジェルネイルアレルギーのリスクを理解した上で、どのような製品を選べばよいのでしょうか。ここでは、安心して使えるHEMAフリージェルネイルを選ぶための3つのポイントをご紹介します。
成分表示を確認する
まずは製品のパッケージや公式サイトで全成分表示を確認し、「HEMA(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)」が含まれていないことを確認しましょう。さらに慎重を期すなら、前述した「アクリル酸」なども含まれていない製品を選べば、より安心です。
国産の化粧品登録済み製品を選ぶ
日本国内で販売される化粧品は、薬機法に基づき厳しい基準をクリアしなければなりません。特に「化粧品登録済み」の製品は、人体への安全性が確認された成分のみで作られているのが特徴です。海外製の安価な製品には、日本で配合が認められていない成分が含まれている可能性もあるため、信頼できる国産の化粧品登録済み製品を選ぶようにしましょう。
人気のHEMAフリージェルブランド
近年では、多くのブランドからHEMAフリーのジェルネイルが販売されています。100円ショップで手に入るものから、プロのネイリストが愛用するブランドまで様々です。口コミやレビューを参考にしながら、自分の肌質や予算に合った製品を探してみるのがよいでしょう。
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ブランド種別 |
特徴 |
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100 |
手軽に試せる価格が魅力。最近はHEMAフリー製品が増加。 |
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ネイル工房 |
セルフネイラーに人気のブランド。HEMAフリーのベースやトップジェルが豊富。 |
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グレースジェル |
HEMAフリーの先駆け的ブランド。プロも愛用する品質の高さが特徴。 |
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sacra |
HEMAやアクリル酸を含まず、安全な成分にこだわって作られている。 |

ジェルネイルアレルギーを防ぐための対策
ジェルネイルアレルギーは、使用するジェルの成分だけでなく、使い方によっても発症リスクが高まります。正しい知識を身につけ、安全にセルフネイルを楽しみましょう。
ジェルが皮膚に付着しないように塗る
アレルギー発症の最大の引き金は、ジェルが皮膚に直接付着することです。ジェルを塗る際は、甘皮や爪の周りの皮膚にはみ出さないように、細心の注意を払いましょう。もしはみ出してしまった場合は、硬化する前にウッドスティックなどで必ず拭き取ってください。
定期的に換気を行う
ジェルネイルの施術中は、ジェルに含まれる揮発性成分や、ダスト(削りカス)が空気中に飛散します。これらを吸い込むこともアレルギーの一因となる可能性があります。施術中は必ず窓を開けるなどして換気を行い、マスクや保護メガネを着用するとさらに安心でしょう。
未硬化ジェルは適切に拭き取る
ジェルをライトで硬化した後、爪の表面にはベタベタとした「未硬化ジェル」が残ります。この未硬化ジェルにはアレルギー原因物質が多く含まれているため、専用のクリーナーやエタノールを染み込ませたワイプでていねいに拭き取りましょう。その際、拭き取ったジェルが他の指の皮膚に付かないように注意が必要です。
もしアレルギー症状が出たらどうする?
どれだけ注意していても、体質や体調の変化によってアレルギーを発症してしまう可能性はあります。万が一、指にかゆみや赤みなどの症状が現れた場合の対処法を知っておきましょう。
直ちにジェルネイルをオフする
アレルギー症状が出たら、まずは原因となっているジェルネイルをすぐにオフすることが最優先です。アセトン(ジェルリムーバー)も皮膚への刺激となるため、できるだけ爪の上だけに留めるようにし、オフした後はしっかりと保湿ケアを行いましょう。
医療機関(皮膚科)を受診する
症状が軽い場合でも、自己判断で市販薬を塗るのは避け、必ず皮膚科を受診してください。医師の診断のもとで適切な治療を受ければ、症状の悪化を防いで早期回復を目指せます。一度アレルギーを発症すると、原因物質に対するアレルギー反応は生涯続くものの、原因を特定して接触を断つことで、症状を沈静化させ、健康な指先を取り戻すことが可能です。そのため、今後どのようにネイルと付き合っていくべきか、専門家のアドバイスを受けることが重要になるでしょう。

アレルギー対応ジェルを検討する
ジェルネイルを続けたい場合は、HEMAだけでなく、アクリル酸など他のアレルギー原因物質も含まない「アレルギー対応ジェル」を検討しましょう。使用する前には必ずパッチテストを行い、自分の肌に合うかどうかを確認してから使用してください。
まとめ
ジェルネイルによるアレルギーの主な原因であるHEMAについて解説しました。HEMAフリー製品を選ぶことは有効な対策ですが、それだけで安心せず、ジェルを皮膚に付けない、換気を徹底するなど、正しい使い方を心がけることが大切です。もし症状が出てしまった場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科を受診してください。正しい知識を身につけて、安全にジェルネイルを楽しみましょう。


