第12回は「爪の縦筋」についてです。
ふと爪を見たら、縦筋が入っていた経験はありませんか?
この記事では、爪に縦筋ができる原因から、自宅でできる正しいケア方法、さらに注意すべき病気のサインまでをあんり先生にお聞きしました。
最後までお読みいただければ、健康的でツヤのある美しい爪を取り戻すための具体的なヒントが見つかります。
爪の縦筋はなぜできるのか
ふと手元を見た瞬間、そんな気づきとともに不安を覚えた経験がある方は多いのではないでしょうか。病気のサインなのか、それとも年齢のせいなのかと気になってしまいますよね。
この気になるサインは一体何を意味しているのか。早速、爪のトラブルに詳しいあんり先生に、その原因についてお話をうかがいます。

爪の縦筋が目立つのは健康上の問題がある場合も
まずは多くの方が気になっている、「爪の縦筋がある場合、健康上の問題があるのか」についてお聞きしました。
加齢とともに縦筋が目立つようになるのはなぜですか?
年齢を重ねるにつれて、皮膚の水分量が減少してきます。これにより爪の水分も減り、縦筋が目立つようになっていくのです。また、加齢による爪母細胞の機能低下も、縦筋が目立つ原因の一つといえるでしょう。
若い方や急激に爪甲縦条が見られた場合は、まず過度な乾燥の有無を確認しましょう。次に、普段の栄養状態や生活習慣の偏り、強いストレス状態、体調不良など、思い当たる原因がないか考え、改善できることから始めていくことが大切です。
爪に茶色や黒い縦筋が出ることがあるのですが病気でしょうか?
これまで述べてきた縦筋には色の変化はありません。もし爪に茶色や黒い縦筋を認めた場合、それは「爪甲色素線条(※1)」と呼ばれ、疾患の可能性を疑う必要があります。最も多い診断は良性のほくろですが、メラノーマ(悪性黒色腫)の可能性もあるため、特に急に現れたり、色調が変化したり、色むらが見られる場合は、必ず皮膚科を受診しましょう。また、ほくろやメラノーマの場合、通常はひとつの爪にのみ生じますが、複数の爪に色素線条が見られる場合は、全身疾患や爪真菌症、手湿疹などが原因であることもあります。
※1:爪甲色素線条(そうこうしきそせんじょう)とは爪に現れる茶色や黒い縦の線のことです。

爪の縦筋を改善・予防する正しいケア方法
爪の縦筋は、できる前に予防やできてしまった時に改善できないのでしょうか。改善や予防のヒントをうかがってみましょう。
縦筋になったときの改善や予防はできるのでしょうか?
爪の縦筋の最も大きな原因は乾燥です。そのため、爪やその周囲の皮膚、特に根元の爪上皮をしっかり保湿することが大切です。縦筋が入るのを予防するためにも、日々の保湿を心がけましょう。すでに縦筋が見られる場合は、外的・内的要因がないか振り返り、改善できることから始めましょう。原因が分からない場合は、一度皮膚科を受診することをおすすめ します。
爪の縦筋ができにくい生活習慣はありますか?
外側からの保湿ケアに加えて、内側から健康な爪を育てるための食事も見直してみましょう。
爪の主成分は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質の一種です。肉や魚、卵、大豆製品などの良質なタンパク質を毎日の食事でしっかりと摂取することが基本になります。さらに、爪の細胞の生まれ変わりを助ける亜鉛(カキ、レバー、ナッツ類など)や、健康的なピンク色の爪を保つための鉄分(ほうれん草、ひじきなど)といったミネラルも意識して摂るとよいでしょう。
また、睡眠中には細胞の修復や成長を促すホルモンが分泌されるので、毎日しっかりと睡眠をとって体を休めることも大事です。
爪の縦筋があるときの注意点
最後に爪に縦筋があるときの日常のケアの際の注意点について、お聞きしました。
縦筋ができたときは爪切りをしてもいいですか?
すでに縦筋が入って乾燥している爪はさらに脆くなっているため、爪切りの衝撃に耐えられずに縦方向に深く裂けてしまうこともあります。長さを整える際は、爪切りの代わりに爪用のヤスリを使用し、一定方向に向かってやさしく削るのが理想的です。
どうしても爪切りを使いたい場合は、お風呂上がりの爪がやわらかくなっているタイミングで、端から少しずつ切るように心がけてください。
爪の縦筋は削って平らにしてもいいですか?
爪の縦筋を削って平らにすることはおすすめできません。縦線が気になるときに表面を削れば、一時的に手触りはなめらかになり見栄えもよくなるかもしれません。しかし、削った分だけ爪の厚みは確実に失われ、強度が落ちてしまいます。
とくに乾燥して縦筋が入っている爪はすでにダメージを受けている状態です。表面を削るとさらに割れやすくなったり、痛みを感じるようになったりするリスクが高まります。削ってごまかすのではなく、保湿で爪に弾力を取り戻させ、これから生えてくる新しい爪を健康に育てることに意識を向けてください。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 爪の縦筋は、主に加齢による水分量の減少や爪周辺の乾燥が原因で現れます。
- 茶色や黒っぽい縦筋が出た場合は、病気の可能性もあるため早めに皮膚科を受診しましょう。
- 改善と予防には、日々のこまめな保湿と、タンパク質やミネラルを意識した食生活が重要です。
- 爪が割れるのを防ぐため爪切りよりもヤスリを使い、表面を削って平らにするのは避けましょう。
爪の縦線ができてしまう前に爪や手の保湿や生活習慣の見直しを心がけようと改めて思いました。みなさんも、乾燥対策を忘れずに、健康な爪を保ちましょう!
お話を伺ったのは
伊東杏理先生
【心斎橋院】〒542-0081 大阪市中央区南船場4-4-3心斎橋東急ビル2F


