お悩み相談 「あんり先生に聞いてみよう!」~第4回「UV対策」について~

今年の夏も暑かったですね。

日焼けはあまりよくないってきくけど、実際のところどうなの?紫外線は夏だけじゃなく年中降り注いでいるから、日焼け止めクリームは毎日塗らないといけないの?手をきれいに保つことと日焼けは関係するの?

第4回目はそのような疑問をあんり先生に聞いてみました。

Q.手肌のUV、シミ・シワ改善法について教えてください!

A.皮膚のターンオーバーが乱れると、シミ、シワを作りやすくなります。原因として、紫外線や、水仕事や洗剤による乾燥、食生活や生活習慣の乱れ、老化による血流悪化などが考えられます。

紫外線を過剰に浴びるとシミやシワをつくりやすくする要因となり、

UVBを浴びると→シミ

UVAを浴びると→シワやたるみが引き起こされやすくなります。

 

Q.改善するには……?

A.毎日日焼け止めを塗りましょう。長時間紫外線を浴びる場合は面倒でも塗り直しが必要です。アームカバーなどで遮光することをおすすめします。UVAは冬場もしっかり降り注いでいるため、年中日焼け止めを心がけましょう。

日焼けだけではなく、手は水仕事などで洗剤を使用するため、皮脂が流され、乾燥しやすくなります。皮膚の水分量が低下すると手のシワやたるみが引き起こされます。洗剤を使用する際には必ず手袋を着用し、洗った後には保湿クリームなどでしっかりと保湿を行うことが大切です。

 食生活や生活習慣の乱れからも、肌のターンオーバーを乱し、老廃物が排出されにくくなり、シミ、シワ、たるみなどが引き起こされやすくなります。さらに老化で血流が悪くなると同様に、老廃物がたまりやすくなり必要な栄養分が末梢までいきわたりにくくなっていきます。食生活や生活習慣の改善、加えて手のマッサージなどで血流改善を行うとよいでしょう。

 

Q.できてしまった手のシワやシミはどうしたらいいんですか?

A.美容皮膚科で改善することもひとつの手です。

シミ→レーザー治療、ハイドロキノンやトレチノイン外用などの外用治療
シワ→マッサージピールなどのピーリング、ヒアルロン酸注入、脂肪注入、コラーゲンブースト注射などがあります。

直後から効果を感じやすいものは、ヒアルロン酸注入で、肌をふっくらさせシワを目立たなくすることができます。

 

Q.シミ・シワに効く食べ物(栄養素)は?

A.肌の老化を防ぎ、シミやシワに効果が期待できるのが、高い抗酸化力を持つビタミンA、ビタミンC、ビタミンE。ほか、シミに効果があるもので、トラネキサム酸、ハイチオール、タチオン。肌の新陳代謝を整える役割で、ビタミンB


・ビタミンA【レバー、卵、モロヘイヤ、にんじん、ほうれん草など】

→皮膚や粘膜を健康に保ち、感染を防ぐ。


・ビタミンC【赤パプリカ、アセロラ、グァバ、黄色果肉のキウイフルーツ、いちご、かぼちゃ、ブロッコリーなどの野菜や果物、青汁、緑茶など】

→メラニンの生成や代謝に働きかけシミ予防、改善。抗酸化作用によってコラーゲンの生成を促してシワ予防。ニキビによる炎症を改善。

・ビタミンE【アーモンドなどのナッツ類、アボカド、たらこ、かぼちゃ、油脂系など】

→ 末梢循環障害を改善しシワ予防。またしみ、そばかすに対し抗酸化作用により老化を予防。

・トラネキサム酸

・ハイチオール
→ターンオーバーを促進し、ニキビ、ニキビ跡の改善や疲労回復効果がある。メラニンの生成を抑制しシミ予防、改善効果もあります。

・タチオン
→抗酸化作用があり、老廃物排出の促進のほか、皮脂の蓄積や肌荒れの原因のニキビにも効果があります。

・ビタミンB群

→ビタミンBの抗炎症作用により肌荒れ・ニキビの予防や改善に効果あり。新陳代謝を促進しシミシワの予防、改善にも効果がある。さまざまな食べ物に含まれており、バランスのよい食事をとることが大切です。

Q.日焼け止めの効果的な塗り方は?

A.SPFは、Sun Protection Factorの略で、UVB【シミ】をブロックする数値を表すものです。

SPF150、50+と表す。数値が大きいほど防御効果が高くなります。

PAは、Protection Grade of UVAの略で、UVA【シワ】をブロックする数値を表します。PA+~PA++++までの4段階あり、+が多いほど防御効果が高くなります。

長時間紫外線を浴びるレジャーやスポーツ、キャンプなどのときは、SPF50+・PA++++のしっかりUVカット効果をもった日焼け止めがおすすめですね。
日常生活には、SPF30+程度の日焼け止めで十分です。

量も1cm²あたり2mg使用しないと、記載の効果は得られないので、たっぷり使用するようにしましょう。また、2-3時間おきに塗り直すのも大事ですね。

 

紫外線を過度に浴び続けると、シミやシワ、たるみが起こりやすいだけではなく、腫瘍をひき起こしやすくなります。腫瘍の中には、良性だけではなく、皮膚癌など悪性腫瘍を誘発するものも。紫外線で起こりやすい癌は、日光角化症、有棘細胞癌、基底細胞癌、メラノーマがあります。ただし、日本人は基本的には紫外線によって起こるメラノーマは多くなく、紫外線と関係なく引き起こされるメラノーマの方が多いと言われています。
紫外線は細胞のDNAに傷をつけ、細胞にはそれを修復する機能があります。しかし、長年にわたり紫外線によって繰り返し傷つけられると、傷の直し間違いが起こり突然変異し、その部分がたまたま癌に関連する遺伝子であった場合、癌が起こってしまうことも。

紫外線対策といってもたくさん予防できることがあります。日焼け止めクリームや、食べ物からでも日常にぜひ取り入れていただきたいですね。

 

みなさま、いかがでしたでしょうか?
紫外線対策は考えていたより奥深いものでした。日焼け止めクリームのSPF、PAの働きには意味があったんですね。今回も勉強になりました。

お話を伺ったのは
医療法人結城会 ゆうきクリニック
伊東杏理先生

 

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