お悩み相談 「あんり先生に聞いてみよう!」~第3回「爪白癬」について~

爪ドットコムを運営している弊社にはプロのネイリストさんからたくさんのお問い合わせをいただいております。
第3回は「爪白癬(爪水虫)」についてです。爪白癬ってなに?よく聞く水虫と何が違うの?という疑問についてお話を伺いました。爪に対する知識をつけてケアしていきましょう。

                         画像提供/ネイルスクールEarth 品田 清美様

 

①「爪白癬(爪水虫)、足白癬(水虫)との違い」

爪白癬は、皮膚糸状菌(白癬菌) が爪甲に感染し増殖することによって起こる表在性真菌感染症です。足白癬から続発性に起こることが多く、症状は様々認められますが、一番多いのは爪が白〜黄色に濁って、分厚くなることです。また、第一趾の爪に多く見られ、爪の先端から始まり、徐々に根元側に広がる傾向があります。他には、爪の先端から縦に黄白色の筋ができることもあります。

痒みや痛みなどの自覚症状がないため、知らず知らずのうちに広がってしまい、進行していくと爪全体が肥厚、白濁、脆弱化しボロボロになってしまうことも大きな特徴です。

爪甲肥厚症も爪が肥厚しますが、爪切りで切ったときに、崩れやすく、ポロポロと粉が落ちるような状態の場合は爪白癬の可能性が高いと考えられます。

 


②「放置するとどうなるの?」
先ほども述べたように、爪白癬を放置すると爪の肥厚、変形や爪甲剥離をきたします。同時に爪甲下にも感染が起こっていることが多いため、爪甲下の角質が増え、爪が湾曲し巻爪となることも。そうなると、歩行時に痛みが出現し歩きにくくなり、 生活の質(QOL)にも影響を及ぼす可能性があります。

また、爪白癬はうつる病気です。ただし、直接手で触れても、通常はうつる心配はありません。しかし、白癬菌がついた部位を洗わず、皮膚や爪が高温多湿の状態が長時間続くと、白癬菌が増殖し足白癬や爪白癬などの白癬症を発症してしまいます。家族にうつさないためには、湿気の多いバスマットやスリッパなどの共用はやめましょう。

 


③「ネイルは続けられる?こんな時は医師に相談」

爪白癬は、見た目だけでは確定診断できません。爪に白濁など変色を認めたり、爪が肥厚してきた場合は、ネイルを一旦やめて、早い段階で皮膚科を受診し検査をしてもらいましょう。爪白癬の確定診断がついたら、医師の指示に従って内服薬や外用薬を使用し、時間をかけて治療することが大切です。

また、足白癬や手白癬がある場合は、そこから爪に感染が広がりやすい状態ですので、ネイルはせず、治癒したのちにまたネイルを始めるのがよいでしょう。

そして、他から白癬菌がうつらないようにするためには、毎日手や足を指の間までしっかり洗い、湿気の溜まりやすいバスマットやスリッパは清潔に保つように心がけましょう。


お話を伺ったのは
医療法人結城会 ゆうきクリニック
伊東杏理先生

 

みなさま、いかがだったでしょうか?
正しい知識を理解し、トラブルが起きないようネイルを楽しんでくださいね。
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