こんにちは。フリーランスネイリストの江田ももこです。
都内でプライベートネイルサロンを運営し、これまで延べ7000人のお客さまのネイル施術を担当してきました。
日々たくさんのお客さまとお話しする中で、よく耳にする質問があります。それは「ジェルネイルを固めるときに爪が熱く感じた」という内容。
ジェルネイルをされている方なら、一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。今回は、ジェルネイルをするときに爪が熱く感じる理由について詳しくご説明したいと思います。
爪が熱く感じる理由
結論から申し上げると、爪が熱く感じるのは「ジェルネイルを固めるときに発生する熱」が原因となっています。
ジェルネイルはUVライトやLEDライトを照射することで樹脂が固まり形成されるのですが、この樹脂には特殊な成分が含まれています。具体的には、仕上がりの光沢感や透明感、柔軟性などに関わる分子や、ジェルネイルが固まる際に必要なエネルギーを発生させる成分です。これらの成分にライトを当てると分子が活発に動き出し、その過程で熱が生じて爪に伝わります。この現象を「硬化熱」と呼んでいます。
熱を感じる度合いに違いがある理由
定期的にジェルネイルをされている方から「前回は熱くなかったのに、今回は熱く感じた」といった声をよく耳にします。また「以前のサロンでは毎回熱かったのに、今のサロンでは熱くない」という経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
この違いには主に3つの要因が関係しています。1つ目はサロンが使用しているジェルネイル商材の成分、2つ目はジェルネイルの塗布量、そして3つ目は使用しているライトの出力数(Wワット数)です。
とくにライトのワット数が高めだったり、ジェルの塗布量が多めだったりすると、ライトを当てた瞬間により強い熱を感じやすい傾向にあります。
また、お客さまの爪の状態も大きく関わっています。地爪が薄い方は、厚みのある方と比べて熱を感じやすい傾向にあります。
熱さを軽減するための対策
一度強い熱を経験すると「また熱くなるのかな…」と不安になり、ライトに手を入れるのが怖くなってしまいますよね。その結果、ジェルが完全に固まらない状態になってしまうと、別のトラブルを引き起こす可能性もあります。
そこで、熱さを軽減するための対策をしているサロンを選ぶことをおすすめします。具体的な対策をご紹介しましょう。
まず1つ目は、ローヒートモード搭載のライトを使用しているサロンを選ぶこと。このモードは通常のライトよりも緩やかに出力が上がっていくため、急激な熱の発生を抑えられます。
2つ目は、硬化熱に配慮したジェルネイルを扱っているサロンを探すこと。「熱を感じにくいジェルネイルを使用していますか?」と予約時に確認してみるのもよいでしょう。
3つ目は、仮硬化を取り入れているサロンを選ぶこと。仮硬化とは、決められた硬化時間を10秒、15秒と小分けにして照射する方法です。一気に固めるのではなく、徐々に硬化させることで熱の急激な上昇を防ぐことができます。
ただし、最終的にはどのジェルネイルも「本硬化」(決められた時間を一度に照射すること)が必要になりますので、仮硬化だけで済ませることはできません。
最後に
私自身、サロンをオープンした当初は硬化熱についての知識が浅く、お客さまのお悩みを聞いていく中で対策の重要性に気付きました。その結果、前述した3つの対策をすべて導入したところ、「ライトが熱い、痛い」というお声はなくなりました。
今回お伝えした内容が、少しでもみなさまのお役に立てば幸いです。
それでは、また。
フリーランスネイリスト 江田ももこ