視覚障がい者向けのネイル講座
きっかけはある方の紹介で
視覚障がい者方向けのイベントがあり
そこに出展していただけないかという相談でした。
「?」なにができるだろう・・・
正直、まったく想像がつかなかった。
そこで主催者の方にお話をうかがっていく中で
目が見えなくなったことにより「おしゃれを諦めている人がほとんど」であることを教えていただいた。
そして「白杖をおしゃれにデコレーションできないか?」
これが後のネイル講座のきっかけになる出来事となった。
イベントでは「白杖デコレーション」というワークショップを開催。
ネイルに使用するアートストーンやパーツを、白杖のグリップ部分に接着剤を使いデコレーションするという内容だ。
「うまくできるかな」という不安もありながら、開催することとなった。
参加者は8名。
最初はみなさん緊張しながら説明を聞き、指の感覚でストーンに接着剤を付け
グリップ部分にくっつけていく・・・
ネイルに使うストーンなのでかなり小さく、裏表もわかりにくい。
さらにそこに接着剤を付けるのだから難易度はとても高かった。
「難しい・・・」「あれぇ?」と不安な声が聞こえる中
それでも黙々と作業を進める。
すると「見て!?かわいい?」「ラインもいいね」とどんどん楽しい会話と笑顔が。
悪戦苦闘しながらも、きらきら輝く白杖がどんどん出来上がっていく。
そして参加者全員が満面の笑みを浮かべながら会話も弾みだした。
すごく楽しそうで、こちらも自然と笑顔になる。
その時、「目が見えなくてもおしゃれができるのではないか」そう感じた。
そして少し勇気を出して参加者の方に聞いてみる。
「ネイルしてみたいですか?」
「・・・したいけど、なかなか難しいし、サロンにも行けない」
「爪を切ることも難しいから」
おしゃれ以前に、爪のケアにも困っていた。
これは何かできないかといろいろな方に相談しながら
ある施設で「視覚障がい者向けネイルケア講座」を開催することになった。
あのきらきら輝く笑顔をネイルでも作れるはずだと、どこか自信だけはあった。
そして準備を重ね、当日を迎えることなる。