お悩み相談 「あんり先生に聞いてみよう!」 ~第1回「爪甲剝離」について~

ネイルは大好きなのに爪のトラブルでできなくなってしまった。
という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ネイルを安全に楽しむために、ネイルにまつわる爪のトラブルを知っておくのも
非常に大切なことです。

事前に知っておくことで早期発見や大きなトラブルを未然に防ぐことが可能です。
医師のアドバイスをうかがいながら、正しい知識を習得し、ネイルを楽しみましょう!
爪ドットコムを運営している弊社にはプロのネイリストさんからたくさんのお問い合わせをいた
だいております。第1回はその中でお問い合わせの多い「爪甲剥離」についてお話したいと思
います。

 

「爪甲剥離って何?」

爪甲剥離症とは、従来下の皮膚(爪床)と付着しているはずの爪甲が先端から剥がれてきてし
まうことをいい、圧倒的に女性に多くみられます。剥がれた部分の爪甲は表面から見ると白
や黄色に見えることが一般的です。
 原因の多くは不明で特発性ですが、
・甲状腺機能異常や末梢循環障害などの全身疾患
・不適切なマニキュアやジェルネイルなどの使用による慢性的な刺激によるもの
・カンジダ菌への感染
などさまざまなことが原因となって、爪甲剥離症が起こることがわかっています。
  

「ネイルをするとなぜ爪甲剥離になるの?」 


マニキュアや除光液、ジェルを溶かす際の溶剤に含まれる化学薬品などが、爪周囲の皮膚
に付着し、接触皮膚炎を起こすと、それに伴い爪甲剥離を発症することがあります。 
また、ジェルネイルの場合、爪の表面を硬化させる際にわずかに爪に収縮作用が加わること
や、ジェルネイルを剥がすときに無理な力が加わることによって、爪が剥離してしまうこともあ
ります。
  

「放置するとどうなるの?」

爪甲剥離症を放置してしまうと、爪甲自体が完全に脱落してしまう可能性もあります。 

そうなると、爪がないことにより日常生活に支障をきたしてしまいます。手の爪がないと、指先
に力を入れにくく、物をつまんだりすることが難しくなります。同様に足の爪がないと足に力を
入れて踏ん張りにくくなり、歩くことにも影響を及ぼすことになるでしょう。 
さらに、その後新しく生えてくる爪も正常の状態で生えてきにくくなります。 
爪甲剥離症は爪が先端から白く見えるようになることで診断できる場合もありますが、マニキ
ュアやジェルネイルをしていると、見た目では判断がつきにくくなります。そのため、少しでも
違和感がある場合は一度ネイルをオフして地爪の状態を確認した方がよいでしょう。

 

「予防法や対処方法は?」 


一度剥がれてしまった爪を元通りに爪床とくっつけることはできません。 
まずは、爪が引っかかって症状を悪化させないように爪を短く整えましょう。さらに、傷口があ
る場合には、水で洗い流すなど傷の処置をしっかり行い細菌感染を防いでください。
そして、なんらかの原因がある場合、それに対する治療を行なっていくことが必要です。早め
に皮膚科を受診して原因を特定し、正しい治療を進めていくことが大切です。爪甲剥離症が
治癒するには数ヶ月以上時間がかかることが多いので、早めの皮膚科受診をおすすめしま
す。
マニキュアやジェルネイルを使用中の方に関しては、直ちにそれらの使用を控え、乾燥を防ぐ
ために保湿剤を使用しましょう。また、爪周囲の皮膚に赤みや痒み、痛みを伴っている場合
は、マニキュアやジェルネイルに使用する薬品で接触皮膚炎を起こしている可能性がありま
す。とくに早めに皮膚科を受診してください。症状にあわせて、抗生物質やステロイド、抗真菌
薬外用が処方されるでしょう。 
また、マニキュアやジェルネイルをする際に、過度な負担をかけないように適切な施術を受け
てください。自身では爪周囲の皮膚の保湿をしっかり行ったり、爪に強い外力をかけないよう
にすることが、爪甲剥離症の発症予防につながります。

 

 

今回お話を伺ったのは

医療法人結城会 ゆうきクリニック
伊東杏理先生
【プロフィール】
奈良県立医科大学卒業。その後総合病院皮膚科にて複数年勤務ののち、ゆうきクリニックにて勤務

 

 

 

 

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