第10回は「巻き爪」についてです。
多くの人が悩んでいる巻き爪は、痛みで歩行が困難になることもある厄介な症状です。
原因や症状、効果的な対策について詳しく聞いてみました。
「巻き爪とはどのような症状なのでしょうか?」
爪が異常に内側に彎曲(わんきょく)する状態のことを巻き爪と呼びます。主に足の親指に生じやすく、進行すると前方から見ると筒状に見えることがあります。さらに、巻いた爪が皮膚に食い込んで痛みが出ることもあるのです。
「どのような原因で起こるのですか?」
つま先の窮屈な靴による慢性的な圧迫が主な要因となっています。寝たきりや車椅子の方、足に麻痺がある方にも多く見られますが、これは通常の歩行時に必要な足指への適切な負荷が不足するためと考えられています。
足指を地面につけずに歩く癖のある人や、足の変形で指に力が入らない方も注意が必要です。深爪、爪白癬などの爪の病気、薬の副作用、遺伝的要素なども関係していることが分かっています。
男性の革靴やハイヒールなど、窮屈な靴を日常的に履く人には男女問わず多く見られます。原因が様々なため、あまり歩かないお年寄りから、遺伝的要素が強い学生まで、幅広い年代で発症することが特徴となっています。
「早期発見・治療が必要なのでしょうか?」
歩行時や運動時に痛みがある場合は、早めの治療をお勧めしています。痛みがなくても、爪の彎曲が強くなると自分で爪を切るのが難しくなったり、靴下が引っかかったりと日常生活に支障が出ることもあります。さらに、彎曲した爪の端が皮膚に食い込んで陥入爪を引き起こす可能性もあるため、早い段階での対応を心がけましょう。
「予防法を教えてください」
まずは窮屈な靴を避け、足に合った靴選びを心がけることが大切です。
次に正しい歩き方を意識することが重要です。足にウオノメやタコができている場合は要注意で、適切な圧のかかり方ができていない可能性があります。インソールでバランスを整えることも効果的な対策といえるでしょう。
爪自体の健康状態も確認する必要があります。変色や肥厚がある場合は爪白癬の可能性もあるため、皮膚科での診察をお勧めします。
爪の切り方も重要な点です。スクエアオフカットという方法で、端から端まで直線的に切ったあと、両端の角を少し落とすようにします。爪の両端が皮膚に食い込まないよう注意しましょう。
次回は、具体的な治療法についてご紹介する予定です。
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お話を伺ったのは
医療法人結城会 ゆうきクリニック
伊東杏理先生
【心斎橋院】〒542-0081 大阪市中央区南船場4-4-3心斎橋東急ビル2F