お悩み相談 「あんり先生に聞いてみよう!」第8回「爪の噛み癖」について

「あんり先生に聞いてみよう!」
第8回は「爪の噛み癖」についてです。
子どもでも大人でもつい爪を噛んでしまうことがあるのではないでしょうか。
衛生的にもよくないと思われますが、医療の視点からお話をうかがってみました。

「爪を噛む癖っていつからするの?」

 爪を噛む癖は咬爪症(こうそうしょう) とも言われ、3歳以降に生じる癖で、頻度は小学生、中学生、高校生と次第に上昇します。治療はなかなか困難で、成人になっても治らないことも少なくありません。

 

「治るんですか?」

自分自身で爪を噛んでしまうため、手の指の爪全てが常に爪切りで切れないほど短くなっていたり、爪に縦線、横線、色素沈着、白斑など爪自体に変形を起こしたりすることがあります。さらに、爪を噛むことで周囲の皮膚も傷つきやすくなり、菌が繁殖して※1爪囲炎などの感染症を引き起こす可能性も出てきます。基本的には、爪噛みをやめるとこれらの症状は改善されるものの、長い間噛み続けていると、爪の変形が強くなり、爪噛みをやめても元に戻らないこともあるのです。
※1 爪囲炎:爪周囲の皮膚の傷から化膿を起こす菌が入り、爪の周囲に赤く腫れるなどの炎症・化膿が生じる感染症です。


 


「癖になる原因はあるんですか?」

爪噛みの原因については、周囲の環境などのストレスによるものが多いと言われる一方で、ストレスとは無関係に自然と身についた癖だという見方もあります。 小さい頃には、苦味成分を配合したマニキュアを爪表面に毎日塗布し、苦味のために爪を噛む習慣をなくす治療方法があります。大人でもこの方法を試せますが、自分自身にやめる意思がなければ効果は期待できないでしょう。
 ほかには、皮膚科やネイルサロンで、ジェルネイルやアクリル樹脂を使用した人工爪をつけることが効果的です。地爪をこれらの人工爪でコーティングすることで、噛めなくなり、治療していく方法です。同時に爪の保護もできるので、変形も改善していきます。


 
爪を噛む癖がある場合は小児期には小児科に、成人してからは皮膚科や精神科などに早めに相談しましょう。

 


爪を噛むことによって、爪に付着した菌をなめてしまう以外にも、皮膚を傷つけて菌が繁殖することもあるんですね。噛み続けて、爪噛みをやめても元の形に戻らなくなることは避けたいですね。気になる方はお早めに病院で受診してください。
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お話を伺ったのは
医療法人結城会 ゆうきクリニック
伊東杏理先生
【心斎橋院】〒542-0081 大阪市中央区南船場4-4-3心斎橋東急ビル2F

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