第6回は「ジェルネイルアレルギー」についてです。
ジェルネイルを楽しみたいのにアレルギーになって、ネイルができなくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。事前に予防できることがあれば取り入れておきたいですね。原因をしっかり知って対策していきましょう。
「ジェルネイルアレルギーになる仕組み」
ジェルネイルアレルギーとは、ジェルネイル自体の成分や使用する道具、薬剤などに対する接触皮膚炎で、指先などの皮膚に痒みや赤みなどの症状があらわれます。
薬剤などの毒性によっておこる刺激性接触皮膚炎は初回から起きますが、アレルギーの仕組みにより感作※された人に生じるアレルギー性接触皮膚炎は、感作されるまで症状が出ないため、初回では発症せず複数回ジェルネイルをしたのちに発症します。そのため、何度もジェルネイルをして特に問題がなかった方も、急にアレルギーを発症したという場合が多いです。また、症状出現もジェルネイルの施術中ではなく、その数日後に症状が出現することが多いです。(※感作-特定の抗原を与えて、その抗原に対し過敏状態にすること)
一般的にアレルギーを発症し、アレルギー物質が体の中に入り続けると、症状はどんどん悪化していきます。悪化すると、赤く腫れたり水疱ができ、痒みだけでなく痛みも伴います。
赤みや痒みなどの症状が出た場合は、まずはジェルネイルをオフして、症状が改善するまでしばらくの間ジェルネイルを含めたネイルは控えましょう。
その後は医療機関を受診し、接触性皮膚炎であるかどうか診てもらいましょう。ジェルネイルアレルギーと診断されるか、強く疑われる場合は、以後ジェルネイルは避けた方が賢明です。
「それでもネイルがしたい場合、改善できることはあるのでしょうか」
今後も続けていきたい場合は原因を特定し、取り除けるのであればジェルネイルを続けることも考えられます。
ジェルネイルに関連するアレルギーの原因はいくつか考えられます。
ジェルネイル自体の成分、ネイルをオフするときに使うリムーバー、仕上げに使うジェルクリーナー、ジェル硬化ライトなどが挙げられます。これらの成分が爪ではなく、その周りの皮膚に付着したり、ライトが皮膚にあたることで、アレルギー反応を起こします。そのため、特にサロンではなく自宅でセルフネイルをする場合にアレルギーが発症しやすいとされています。
ジェルネイルを再開したい場合は、ジェルの種類や薬剤、道具を変えてみて、症状が出るかどうか検討することも有益です。ただし、元々症状が強く出ていた場合、再度実際にジェルネイルをしていくのは危険です。その場合、パッチテストを行うことも一つの方法です。ただし、パッチテストは部分的に一定の期間しか行わないので、実際にジェルネイルをつけるという状況とは異なります。そのためパッチテストの結果が100%ではないことを覚えておいてください。
ジェルネイルを正しく使用し適切な手入れを続けることで、アレルギーの発症を予防できることもあります。
ジェルネイルなどが爪ではなく、爪周囲の皮膚に付くことによって、アレルギーが引き起こされます。さらに、その皮膚が乾燥などでバリア機能が崩れていると、そこからアレルギーを発症する成分が皮膚に浸透しやすくなります。
まずは、ジェルネイルが皮膚につかないように注意することが大切です。爪からはみ出さないように塗り、セルフネイルの場合は道具やネイルの容器周りにジェルネイルがつかないように気をつけましょう。
爪周囲の皮膚をハンドクリームやオイルなどで保護し、バリア機能を高めることも大切です。
お話を伺ったのは
伊東杏理先生
ジェルネイルを楽しむためにも、アレルギーを発症しないように、爪周囲の皮膚に付かないように気をつけたり、ネイル道具をこまめにお手入れしたり、適切な手入れをすることが大切ですね。
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