お悩み相談 あんり先生に聞いてみよう ~第2回「グリーンネイル」について~

爪ドットコムを運営している弊社にはプロのネイリストさんからたくさんのお問い合わせをいただいております。
第2回は「グリーンネイル」についてお話しを伺いました。なんだかわからないけど怖いというより、どういう病気かを知っておくと、心積もりができますね。今回も爪に対する知識をつけていきましょう。

画像提供/ネイルスクールEarth 品田 清美様

 

1  「グリーンネイルって何?」

 グリーンネイル(緑色爪)とは、細菌の一種である緑膿菌という菌が繁殖し、緑色色素のピオシアニンや、黄色色素のピオベルジンという特殊な色素を産生するため、爪が緑色に変色してしまう病気です。

 緑膿菌は湿った環境を好むため、爪甲剥離があると、爪と爪下の皮膚との間に湿気が多くなり緑膿菌が繁殖しやすい状況となります。また、爪とジェルネイルに隙間ができると、同様にそこで緑膿菌が繁殖してしまうこともあります。

 さらに、爪カンジダ症や爪白癬といった、真菌感染を起こしている爪でもグリーンネイルになりやすいと言われており、実際に緑膿菌感染と真菌感染の両方を引き起こしている症例も見られます。

画像提供/ネイルスクールEarth 品田 清美様

 

「放置してグリーンネイルのままネイルをやり続けたらどうなるの?」

 グリーンネイルを何の対処もせずに放置すると感染範囲が広がり、どんどん悪化する可能性があります。緑色の範囲が広がったり、黒く変色したり、爪全体やその周囲まで感染が広がるリスクがあります。悪化すると爪が割れたり、欠けたりしてしまうなど、ほかの爪トラブルにつながる可能性もあります。

 とくにネイルが原因の場合、そのままネイルをし続けると、緑膿菌が好む湿気の多い状態が続き、緑膿菌がどんどん繁殖してしまいます。

画像提供/ネイルスクールEarth 品田 清美様

 

3「人にうつるの?」

 緑膿菌は、身の回りの環境に普通に存在している菌で、私たちの身体のあらゆる部位にも存在している常在菌です。通常の状態で悪さをすることはありませんが、免疫力が落ちている時など、何らかの理由でバランスが崩れてしまった時に悪さをします。爪では、先ほど述べたような湿気の多い環境などが起こると緑膿菌が繁殖してしまいます。

 これらからわかるように、緑膿菌は人の皮膚に常在している菌であり、そこに元々いた緑膿菌が繁殖しグリーンネイルを発症しているため、基本的にグリーネイルは人にはうつりません。

 ただし、免疫力が弱い高齢者や新生児、免疫が低下した病気の方などが感染すると命に関わる危険な場合がありますので、そのような状態の人と会うときには注意が必要です。

 

4「予防法や対処方法は?」

グリーンネイルを予防するには、爪の周囲で湿気の多い環境を作らないことが大切です。基本となるのは、日頃から手元を清潔にしておくことです。また、原因となる爪甲剥離症や、真菌感染などを見つけた場合は、直ちにジェルネイルを中止し皮膚科を受診しましょう。さらに、爪とジェルネイルにできるだけ隙間を作らないようにするため、適切な間隔でネイルサロンに通うことをおすすめします。

 グリーンネイルを疑った場合は、その指爪だけでなく全ての指の爪はマニキュアやジェルネイルを除去した状態で皮膚科を受診するようにしましょう。真菌症などでも爪が緑色に変色することがあるため、まずは皮膚科にて緑膿菌によるものかを診断してもらい、適切な治療を行っていく必要があります。

 

 

今回お話を伺ったのは

医療法人結城会 ゆうきクリニック
伊東杏理先生
【プロフィール】
奈良県立医科大学卒業。その後総合病院皮膚科にて複数年勤務ののち、ゆうきクリニックにて勤務

 

 

 

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